初めてシャツを仕立てに行った、の巻。


還暦を壱年半後に迎えるにあたって、遅ればせながらであるが、

オレもネクタイなるものを締めて出勤するように成った。

何で今更?、と言う気がしないでもないが、

実は社会に出てから今日までズッと自由な格好を貫いてきたので、

最後くらいは世間の人並みにしたく成ってきたのだ。

そんな自分の気紛れのせいで困ったのは

ネクタイ仕様のシャツを持ち合わせていない事。

それじゃあダメじゃん、

と言うので思い切って先だって仕立てに挑んできた。


選んだ場所は新宿の伊勢丹。

ココにした理由は特にないが、

強いてあげれば溜っていたポイントが使えるから。

開店と同時に仕立てコーナーに出向き、ベテランっぽい女性に相談。

色を決めたら、空かさず採寸係の方が登場して

手際よくオレの締りの無い体を計ってくれた。

ココで驚いたのは普段ハメている時計を聞かれた事。

訊かれた理由は、時計を巻く左の袖を太く作るとの事だった。

計測が終わったら今度は襟と袖の型を選択、更に釦、前立て、

ポケットも選んで一件落着。

そうそう、ネームも尋ねられたので

吉右衛門の「吉」を一文字だけお願いしてきた。

果してどのようなモノが出来るのだろう。


社員のみなさま。

吉の字のシャツを着ていたら、何か言ってください。


2011年12月03日。


吉右衛門。


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