寿司屋探報シリーズ、其の弐。


お陰さまで、この夏年齢をひとつ重ねたのですが、

其の事で困った事があります。

何と言うか、ボケが進んできた感じなのです。

今迄は、精々社員さんの名前を忘れる程度だったのですが、

近頃は顔や自分が何をしているのかさえも忘れてしまいます。

ご迷惑を掛けますが、

遂にオレも、焼きが廻ってきたようです。

どうぞ、寛大なお付き合いを、よろしくお願いします。


寿司屋探報シリーズ、其の弐は

浅草の弁天山美家古寿司。

実はこの日、初めてひとりで寿司屋へ行った。

正確には昼に行く事は多々あるのだが、夜は長い人生で初めての事。


十八時半、入店。

どうも初めての処は期待と緊張が入り交じる。

覗いた店内は、如何にもって感じで高級感が漂っていた。

カウンターは7〜8席で、他にはテーブル席が数席。

オレは予約していたのでカウンターに入れてもらったのだが、

偶然にも一緒に入店した若い女性も居て、直ぐに満席と成った。

先ずは親方に、初めて来た事とあまり寿司の事は分からない事を

伝えてから座らせてもらったのだが、

日頃の営業の時よりズッと緊張してしまった。


さて寿司の事。

周囲の方はみな、刺身を肴にお酒を飲んでいる。

一緒に入店した女性も、肴に貝と白身を頼み麦酒を呑み始めた。

オレはと言うと、弁天山コースをやらをお願いしたのだが、

途轍もなく美味しかったのは、北寄貝と小肌。

これが絶品で、これなら浅草迄来た甲斐があったと言うモノ。

舌鼓を打っていたら、最後の卵焼きが出て来て一件落着。

そして余韻を楽しむべく、お茶をいただいていたのだが、

先ほどから気になっていたのが、隣の女性。

一人で寿司屋へ来るのはいいとしても、既に数杯呑んでいる。

然も、旨そうに呑んでいるから麦酒が黄金色にさえ見えてきた。

顔も何処かで見た事が有るのだが……。

誰であったか、この目の大きな女性は……?。

芸能界で言えば、先日の何とか総選挙とやらで負けた女性。

うーん……思い出せない。


段々とお友達に成りたく成ってきた。

もう、この歳では誤解をされる事もあるまい。

「お寿司屋さんで麦酒なんて、お洒落ですね」と話しかけてみると

「とても美味しいんです。吉右衛門さんも如何ですか……?」だって。

そして、「親方、オジさまにもいっぱい」と頼んでくれちゃった。

オイオイ、何でオレの名前を知ってるんだ……?。

気には成ったが、

もうどうでもいいや、と親方に貝と白身の握りを頼んで返礼。

そして最後に写真をパチリと撮らせてもらって、一件落着。

ほろ酔い気分で店を出る。


あたりは節電で暗かったが、月の光の奇麗な夜。

一曲口ずさみながら、浅草の駅へと歩く。



いつになく、ロマンチックな夜でした。


そうそう、

最後にですが、隣合わせた女性へメッセージと写真です。


一期一会の、素敵な夜をありがとうございました。















吉右衛門。



コメント / トラックバック1件

コメントをどうぞ

 (初回投稿時のみ確認後の公開となります。ご了承ください。)
カレンダー
2011年7月
« 6月   8月 »
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  
アーカイブ