「猿島」の巻


猿島は横須賀港の沖に浮かぶ無人島で、島の周囲を散策しても二粁にも満たない小さな島だ。

わたしがこの島の存在を知ったのは今から半世紀以上も遡る小学生の時で、臨海学校の帰路にガイドさんから、「あれは猿島」なる説明を受けたことだ。それを今でも鮮明に覚えているのはその奇妙な島名からかもしれない。そして二度目は一昨年の初夏に当時のアシスト、千葉さな子の働きで横須賀の街へ仕事で来れた時。営業が終わり船の甲板から眺めた景色に、鬱蒼とした樹々で囲まれたこの島を見つけ、半世紀前の記憶が蘇ってきた。


今月の始め、わたしは齢六五を迎えた。

近年、二度の大病を経ただけに、おのれが未だこの年齢になっても頑張れていることに驚いている。だからと言うわけではないが、ここ数年は節目としてこの日の前後に何かをするように心掛けている。三年前は待望の西湖で釣り糸を垂らしたし、一昨年は前述した横須賀港で待望の営業をすることができた。そして昨年は京都で天下分け目の天王山へも登った。で、今年はと言うと、いろいろ考え悩んだ挙句、この猿島へ渡ってみようかと思った。

島へ渡るには港から出ている渡し舟に乗らねばなない。この舟は毎時30分に出航しており乗船してからは10分程度で島へゆくことができる。


10時。

船着き場に到着。

夏シーズンの人混みを考慮して早速、乗船券を買い求めに窓口へ出向くがそこには未だ誰もいない。が、受付の女性から次の便は団体さんが乗船するとかでかなりの混雑が見込まれると告げられた。そう言われても周囲の状況が状況だけに俄かには信じ難かったが時間を潰して戻ってみると、なるほど学生さんと思われる若い方々で乗船場はごった返していた。それでも何とか乗船し、海風にあたりながら周囲の光景に目をやるも、残念なことに楽しむ間も無く桟橋へ到着。あっという間に島へ着いた。


10時40分

上陸。

さて蝉の大合唱に迎えられ、これから猛暑をついて小高い山を持つ島の探索をするわけだが、残念なことに今年は体調が悪い。まずはぎっくり腰から明けたばかりだし、ここ数ヶ月は高血圧にも悩まされている。だが、昨年、京の天王山へ登ったことが自信となってわたしを支えているし、老いたりとはいえ、わたしもニッポン男児の端くれ。この程度のことで、へこたれるわけにはいかない。そんな意気込みで歩き始めたが、何と言うことはない、息が乱れるこもとなく、最終地点に到着。これには拍子抜けした。

…。


ずいぶんと駄文を長々と書いてしまった。あまり長いと読み手の方々に迷惑をかけるし、書き手の方もそろそろ飽きてきた。で、ここからは写真を並べて今回のブログを終えようかと思う。

ご存知のようにこのおんぼろブログに写真を掲載するのはひと苦労する。であることからして最初に写真の内容を説明しておく。島の外観写真から始めて渡し舟、案内図、隧道、壁面、展望台から眺めた風景。そして最後に会心のショットを載せてようかと思う。このショットはこの数年に撮った写真の中で一番よく表情を捉えることができた。よろしければ感想などを書いてくれると有難い。


平成30年7月21日

吉右衛門


今回も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

だらだらと長文を書いてしまったので例のよって校正をせずの更新と相成りました。であるが故に誤字脱字、文脈の乱れは寛大にお願いします。






































































コメント / トラックバック10件

  • naunau:

    猿島!
    最近、私の両親も猿島を観光しておりました。
    かつては要塞の島だったのですね。
    レンガの要塞に、樹々の緑、トンネル…
    まるで別の世界に迷いこんだような、時間が止まってしまったような
    不思議な感覚になりそうです。

    そして最後のお写真!
    光加減や背景のぼかしが効いていて
    とても美しい写真になっておりますね!

  • margaret:

    人の写真を撮るのは難しいと聞いたことがありますが、
    笑顔がとっても素敵です!

    猿島には前に一度、友人と行く計画を
    立てていたことがあるのですが、
    結局行けなかった思い出があります。

    レンガに生えた青々とした緑が
    なんとも言えぬ神秘的な雰囲気を醸し出しているような。
    やはり一度行ってみたいものです。

  • Teresa:

    素敵な風景ですね!
    猿島はずっと行きたかった場所なのでこうして写真で見られると
    ぐっと身近に感じられますね。
    トンネルの風景はまるで宮崎駿の世界のようです。

    そして、会心のショットとても素晴らしいです。
    表情といい、佇まいといい、風景に綺麗に馴染んで
    この写真から人柄まで全部伝わってきますね!

    また素敵な旅のお話を聞かせてください(^-^)

  • 白鳥ダンク:

    空がとても綺麗ですね!
    どの写真も素敵ですが、綺麗な風景よりも
    最後の一枚の素敵さが、一番際立ちます。
    プロのカメラマンでも、人物の笑顔を撮ることは
    難しいのではないかなと感じます。
    写真を撮る人と、撮られる人の今までの人間関係があってこそ、
    自然の笑顔が撮れたのでしょうね。

  • melonpan:

    小学生の頃の思い出を回収するようで、
    なんだかノスタルジックな旅ですね・・・!
    うーん、そういうのってとても素敵です。

    さすが、天王山を制した(?)吉右衛門さま。
    アクティブで素晴らしいです!
    私もこんな自然の中を歩いてみたいなあ・・・。

    最後の一枚、まさにベストショットですね!
    お二人の仲の良さというか、付き合いの長さが良く表れていると思います。
    背景ととても合っていて、自然な笑顔で、
    素敵なポートレートを拝見させて頂きました。

  • kichiemon:

    ザワさま

    明日から帰省。親御さんが楽しみにしているかと思います。思いきり甘えて、親孝行をしてきてください。お気をつけて。

  • kichiemon:

    マーガレットさま
    わたしは人物写真とは被写体の心象を捉えるものと思っております。それだけにわたしの様な素人が写真を撮るのは至難です。付き合いの時間が長くないと撮れません。
    ペンキ屋とは文中に記した様に十年の付き合いです。それに加えこの日の彼女はご機嫌が麗しく、最高の笑顔を捉えることができました。

  • kichiemon:

    神田川のお玉杓子さま

    おはようございます。
    昨夜は楽しいでもらえたでしょうか。
    16日に会いましょう。

  • 吉右衛門:

    白鳥ダンク様

    今度はダンクを撮ります。

  • 吉右衛門:

    メロンパンさま
    過日、送った動画は楽しめたでしょうか。
    あれは貴女にしかわかってもらえない内容でした。
    また、送りますね。

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