ひこうき雲のシネマメモ(^28^)


今回紹介するのは、手塚治虫原作の漫画、

「メトロポリス」を再構築したアニメーション化した映画です。


製作されたのは2001年。

手塚治虫さんが亡くなってから12年後に作られた映画で

キャラクターはあの愛らしい手塚フォルム、

背景は3DCGを用いた、一風変わった作りをしている作品です。


一言でいうと「人間VS人造ロボット」というようなSF映画です。

感情を持つロボットをつくれるようになった人類と、

その先にある悲しみというテーマで原作が書かれ

本作はその悲しみを充分に描ききった作品だと思います。


メトロポリスは、人とロボットの共存都市と言われていましたが

実際はロボット達が人間に酷使されており、

またロボットに仕事を奪われた労働者達も

都市の地下へと追いやられ、憎悪の念を抱いていました。


一方で、ロボットに人間と同等の権利を認めるよう声をあげる団体が現れたり

大統領レベルの上層部でも様々な問題を抱えており、

都市内ではあらゆる確執が蔓延っている状態でした。


そんな混沌とした中で、主人公ケンイチと

人造人間である美しい少女ティマが出会います。


ティマは初め、自分がケンイチと同じ人間だと信じていますが

物語が進むにつれ、自分が世界を破滅させるためにつくられた

アンドロイドだったということに気づかされます。


周囲から「人間」また「アンドロイド」の両方として扱われ、

困惑していく彼女は、自分は一体何者なのか?

ということを延々と問い続けます。


この物語の最後は、ハッピーエンドとは程遠い

非常に現実的で救いのない、残酷なエンドです。


な、だけにストーリーの世間評価は

あまり芳しくないかもしれませんが

個人的にはこれがあるべき姿だろうなという感想です。


私はこの映画を、

たまたま真夜中に地上波上映しているのを見て瞬時に録画、

そのまま最後まで見切ったのですが

エンドロールが終わった後のほんの一瞬のラストシーンに

心奪われて、泣きました。(;”;)


崩壊した都市の地下、壊れたラジオが突如動き出し

無機質なティマの声で「わたしはだれ?」と囁くのです。


当初、カットされるか迷われたシーンだそうですが

これがないとこの映画は完結しなかったと思います・・・。


ケンイチと過ごしたあたたかな時間を全て忘れてしまった

核心をついた恐ろしい質問。


この悲しい問いかけを最後のカットに持ってきたことに

とても大きな意味があるように思えます。




-『メトロポリス』★★★★★


手塚漫画は幼い頃から好きでしたが、

改めて今、また火の鳥やアドルフに告ぐを読んでみたいなあ。

きっと哲学的な感銘をより受けるのでしょうね。

昔は、あのまあるい線が可愛くて読んでいたので・・・。


コメント / トラックバック2件

  • kichiemon:

    元編集長の飛行機雲さま

    しっかりと読みました。
    長い間(シネマメモ)の連載を感謝感謝です。謝謝。

  • naunau:

    ロボットと人間の共存を題材とした物語って
    悲しい結末が多いですよね。
    これまでも人の手で行われていた事が
    パソコンや機械で出来るようになってきたことを考えると
    こういう未来も遠くはないんだなと思わされます。
    便利な世の中になる反面、ロボットとどう向き合っていくか
    考えさせられますなあ〜・・・。
    みんなドラえもんみたいなロボットだったら良いのに!(逃)

    長い間シネマメモ、お疲れ様でした!
    ひこうき雲さまのブログはいつも楽しくて
    更新されていると真っ先に読んでいました(^v^)
    シネマメモから知った作品も多いです。
    何の映画を見るか迷ったときは、ひこうき雲さまのシネマメモを参考にしたいと思います!
    本当にお疲れ様でした!

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