2014年5月2日 のアーカイブ

「三年ぶりに会った福田う太郎はきれいになっていた」の巻、前編。


新宿を起点に西へ向かう私鉄がある。

この日、私はこの電車に揺られていた。

愛しの、福田う太郎と会うためだ。


彼女が寿退職したのは、2011年の春。

あれから三年の歳月が流れた。

その彼女と、やっと今日会える。

楽しみであるが、緊張もある。

どのような顔をしてよいのか、わからないのだ。

目的地までの数十分。

必然的に思考は、彼女へ流れた。


彼女がうちの事務所に在籍したくれていた間、

彼女を中心に職場は廻っていた。

今の言葉ではセンターとでもいうのだろう。

押しも押されぬリーダーであった。

そして私のサラリーマン時代から数えて、

三代目の女房も務めてもらっていた。

昨年夏。

ペンキ屋が海外へ巣立つとき、

私は彼女と画伯に餞別のひと言を頼んだ。

彼女は出産を直前に控えて大変な時期であった。

しかし、彼女は可愛い後輩の為、快諾してくれた。

そんな奴なのだ。

明るくて優しい性格なのだ。

その彼女の性格に私は無論のこと、職場は随分と救われた。

それとカラオケが好きで得意な曲は、「今さらジロー」であった。

そんな彼女との思い出が走馬灯のように脳裏を駆け巡ったとき、

目的の駅に着いた。


偶然であろうか。

電車をおりると、彼女との再会に花を添えるように、

彼女が在職中に体を張って頑張ってくれた物件の、

ポスターが幾枚も所狭しと貼ってあった。

このことが、センチメンタルな私の心を揺さぶった。


この階段を登った改札口には彼女が待っている。

そう思うと足が竦んだ。


続く。


お仕舞い。


2014年05月02日(金)。

吉右衛門。


次回は、

「三年ぶりに会った福田う太郎は奇麗になっていた」の巻、

後編です。

近況写真も掲載します。



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