2014年2月2日 のアーカイブ

「ベルリンからの手紙」の巻。前篇。


老人の朝は早い。

毎朝、午前三時半には目を覚ます。

就寝時間などは関係ない。

まるで体内に時計の針が内蔵でもされているかのようだ。

そして、この時間から一日が始まる。

緩慢な動作で布団から這い出ると、

分厚い靴下を履いて自分の部屋へと向かう。


私は典型的なA型人間。

可哀想なくらい人間が几帳面に出来ている。

部屋に入ると直ぐに音響、暖房、パソコンの順でスイッチを入れる。

歌が流れ暖まりだすと、電子新聞に目を通す。

新聞と言っても、基本的には見出しを眺めるだけで、

読むのは興味をそそらた記事のみだ。

この作業は一般紙からスポーツ紙までひと通り行う。

それが終わると前夜の残務を整理し一日の予定を組む。

そして最後に新着メールの確認をするのだが、

この作業は前夜の九時頃にも行っているから、

気の利いたメールが来ることは滅多にない。


冒頭で体内時計の存在を書いたが、

これらの動作を終えると必ずといってもよいほど、

強烈な睡魔に襲われる。


それが、先月の或る日。

睡魔が消し飛ぶようなメールが、西洋の方から送信されてきた。


続く。


2014年02月02日(日)。

吉右衛門。


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