春濁りがやってくる

はじめまして、きつね福と申します。

本日からブログメンバーに加入いたしました。よろしくお願いいたします。


色々と外出が難しい昨今ですが、普段はスキューバダイビングと低山ハイキングを趣味にしている身ですので、その経験からちょっとした小ネタをお届けできたらと思います。



ダイビングの最盛期というとなんとなく夏をイメージしますが、実は通年潜ることができます。

特に日本の海は陸上の四季と負けないくらい変化に富んだ場所なので、年中違った風景や生き物の様子を楽しめるというわけです。

さて私はというと、メインで潜るのは秋から冬にかけて。

夏は紫外線が強くなったり、海面に降り注ぐ太陽光の照り返しが強烈なので、イルカウォッチングのような特別なツアーがない限りはシーズンに1~2度潜るぐらいです。

では春はどうか?というと、実はちょっと怖い経験をしたことがあり……。


それが春濁り。読んで字のごとく、春、海中が緑色に濁る現象です。

原因は複合的なものなのですが「植物性プランクトンが爆発的に増える」という説明が、もっとも多くなされるのではないでしょうか。

これの何が怖いかというと……。


あれはダイバー初心者だった頃です。

初めて4月の海へ潜ると、潜降した途端、2月頃の青く澄んでいた海と比べ物にならないほど視界が一面濁った緑、むしろドドメ色に唖然。

おまけに一緒に潜ったインストラクターやバディの姿が不明瞭!


メンバーの姿を追うのがやっとでしたが、水深10mを越えたところでシリンダー(空気ボンベ)の空気残量を確認する計器を目視で確認したほんのわずかな瞬間、周りからメンバーどころか、目印の岩も、海面から注ぐわずかな光も、全てのものが春濁りに遮られて視界から消失しました。

ただ広がるのは暗い緑褐色の世界……あの時の困惑と恐怖たるや。


とはいえ、ロストした私を速攻でインストラクターが発見してくれたので、ことなきを得ました。

経験を積んだ今なら「ロストか〜、とりあえず海面まで上がって待つか~」という判断がつくのですが、初心者にはなかなか難しいですね。



ネガティブ情報ばかり書いてしまいましたが、春濁りは海へ栄養分を運び、海を豊かにする大事な現象です。ダイバー的には春先に生まれた魚の稚魚を観察したり、プランクトンを狙ってやってくるマンボウなどの珍魚が見られるチャンスがある季節。

そういった楽しみを積極的に見つけて、むしろ濁った春の海を満喫するぐらいの気持ちでいたいもの……と、春が巡る度に思うのです。



しかし、次回は一体いつ海にいけることやら。

今はただただ辛抱ですね。では!

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