2013年10月20日 のアーカイブ

「名古屋で三遊亭画伯と会った」の巻、後篇。


2013年10月08日(火)。


起床9時半。

ベットから起き上がった。

よくは眠れなかった。

枕が替わったせいとも思えないが、小説を片手に眠れぬ夜を過ごした。

そんなことが祟ってこのような時間になってしまった。

帰路の運転を思うと、少しでも身体を休ませたい。

再びベットに戻り天井を見上げていると、

姫と清洲城へ来た時の事を思いだした。

営業の種蒔きであった。

あらから三年が経った。

それが結実して来春、大きな物件が受注出来そうな気配だ。

そう言えば、清洲城の後、徳川美術館へ行ったのだが、

姫に案内されてひつまぶしを食べたのを思いだした。

鰻でも食って帰るか…。


(あつた蓬莱軒)にやってきた。

11時の開店に合わせて来るつもりが出遅れてしまった。

15分しか遅れていないのに、待合いには20人以上が列をなしている。

時間潰しに姫へ蓬莱軒に居る事をメールで報せると、

いいなあ…。

こんな返事が戻ってきた。

よく考えてみたら今、彼女は繁忙期たけなわだ。

不謹慎なことをしたと後悔が浮かんだ。

しかし、このメールが今日の予定に大きな変化をもたらせた。

三遊亭画伯からもメールがきていた事に気づいたのだ。

内容は昨日の礼で、どこまでも律儀な画伯であった。

そして気づいたのだが、文末には住所が記してあった。

彼女は今、屋外で働いている。

仕事中だから声を掛けるのは憚られるが、額に汗をしている姿を遠くから覗いてみたくなった。


13時。

姫への罪滅ぼしに彼女の分もと大盛りで食ったのが失敗であった。

鰻で腹が膨れてしまった。

それでも、ナビゲーションをセットして画伯の根拠地に向け出発。

濃尾平野といえば、肥沃な穀倉地帯が頭に浮かぶ。

そんな田園風景を思い描いたが、立体の国道からはハンドルにしがみつくのが精一杯で、景色を拝む余裕などはなかった。

小一時間も走っただろうか。彼女の居住区域に着いた。

しかし、何処が何処だか分からなかった。

ふらふらしているのを彼女に見つかりでもしたら、また気を遣わせてしまう。

せっかく来たけど、退散しよう…。

僅か数分の滞在での、とんぼ帰りと成った。

その帰路の事。

この空の下で汗を流す、画伯を想った。

13年前の春。

日本橋小伝馬町の片隅に小さな会社を興した。

それが縁と成って、彼女と知り合う事が出来た。

そして彼女を訪ね、この見知らぬ土地に来れた。

人生の縁とは不思議だと思った。


吉爺。














この写真は帰路の新東名道の浜松SAから撮ったものです。

近代的な道路ですね。


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