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第二七回釣行 2009年12月21日(月)
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これまでの釣行記(へら鮒釣り) 2009年〔三島湖〕

吉右衛門のへら鮒釣り 最新釣行記快晴。
水温 9° 減水1.2m 澄み。
三島湖 豚小屋下。
三島湖ともゑ釣舟店。

2009年最終回。
最終回も、「日が暮れて 道尚遠し」であったが
一年間無事楽しく遊ばせてもらった事に
感謝感謝深謝深謝。の巻。

いよいよ大詰め。今回の釣行が今季の最終戦と相成った。
列島を寒波が覆っているが、今日はケジメなので三島湖ともゑ釣舟店さんに向かい豚小屋下で糸を垂らしたい。そしてキチっと暮れの挨拶をして、竿を納めたいと思う。

五時〇〇分。
士気を鼓舞して自宅を出陣。
穴川から館山道へ突入し、車中で今年一年を振り返る。
昨日暇に任せて、自分の書いた釣行記を読み返していたら、第一回にはこんな事を記していた。―――午前四時、少年の様に胸をときめかせながら自宅を出発。・・・房総半島を南下して今年も三島湖ともゑ釣舟店へと向う。今年もこの道に帰ってこれた事が、嬉しい。―――
この末尾に記した、「この道に帰ってこれた事が、嬉しい」。
この言葉が今年を象徴していた様に思う。
春先は糸を垂らしていても上の空の事が多かった。釣れなく成ると直ぐに思考が仕事に流れた。それがハズレたのは、夏の桟橋シリーズの頃からだったと思う。
八月に桟橋で大名人に教わった事。豊英湖.赤松下で苦労して釣った最後の一枚、戸面原の石田島と寮下で釣上げた最初の一枚の感激は、へら鮒釣りの喜びそのものだった。
初夏の頃迄は釣りに助けられ、盛夏頃からは釣りに行くのを楽しみに生活をしていた。
今年は、この趣味に助けられての一年間だったと思う。

午前六時十五分。
麓の雑貨屋さんに年末の挨拶をして、三島湖ともゑ釣舟店到着。今年の竿納めに豚小屋に入釣する旨を告げて桟橋を降りる。
出漁者が少なく、出舟の合図が鳴っても悠然とスタート。何人にも邪魔をされずに看板下の崩れ前を確保出来た。
25尺の竿を出し乍ら思う。
今年の初釣りもココだった。あれは三月の中頃。そしてこの場所に舟を着けるのも三度目だ。
今年は健康診断で先生によく怒られた。人生の終焉の時、最後にひとつだけ願いを聞いてやる、と言われたら迷わず豚小屋下での釣りを選択すると思う。それが出来て終れれば本望だ。そんなつまらない事を考えていたら準備が出来た。

釣行記写真
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25尺竿のグリップから見た正面図。

釣行記写真
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着舟位置から見上げた光景。

七時二〇分。
今年最後の釣りを行う。
竿25尺、鉤素100粍+500粍。
餌.上針はバラケの炭団君.下針はグルテン。
釣果目標.夢を大きく三〇枚。
納竿予定.陽が岩盤の向うに隠れる十四時半頃。
さて、開始。
投入後数投で浮子が怪しく動き出す。何となく如何にも釣れそうな挙動に期待が膨らむ。そして・・・・釣れた。開始二〇分後の出来事。
好調なスタートで気を良くするも、好事魔多し、好天の影響で浮子が見辛く成った。約二十分間.釣りが出来ず・・・。
九時〇〇分。
ココ迄釣れた魚は五枚。すべて新顔の放流べら。
もっと釣ってやろう。欲が出て鉤素と針を交換。今度は長さを300粍+600粍。針も上下にグルテンが付けられる様に小さくしてみた。別に根拠が有ったわけではない。ただなんとなく・・・・。
この、なんとなくの行為が功を奏して釣れた。然も両針に魚が食いついてきた。・・・・してやったり。無上の喜びのダブル。更に後続が続いて八枚目。
いやはや、今日は調子がいい。ひょっとすると、ひょっとするかも・・・・。そして、積年の恨みも晴れせるかもしれないぞ。

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・・・・してやったりのダブル。

十時〇〇分。
浮かれていたら、早速.雲行きが怪しく成って来た。
八枚目を釣ってから四〇分、追加出来たのは一枚。魚信もショボク成って来た。
あーぁ、いつもこうなんだよな・・・・。
ダブルで釣上げたのはいつの事やら・・・・。事態は確実に奈落へと落ちだした。
天を仰ぎ、溜息をついていたら突然ガタっと物音がして、危ない危ない・・・・竿を持って行かれる所だった。所謂向う合わせってヤツで、やっと十枚達成。
続いて、竿を上げたら魚が針をくわえて付いてきた・・・十一枚目。浮子は動かなかったと思うが・・・・。
駄目だなぁ。こんなマグレの結果オーライみたいな釣りでは、魚が釣れても面白くない。ヘボが生意気を言うのは御法度だけど、敢えて言わせてもらえば、この様な状態だから、この様に対処したら、この様な結果に成って、釣れた・・・・してやったり。いつも、これを目指しているのだが・・・・。

十時四十五分。
合わせたい魚信が無い。浮子は落込みで時々動くだけ・・・・。
もしかしたら、バラケが効き過ぎて魚が上がって来たのではないか ? 。疑念が湧いて来たが、この長い竿を替えるにはパワーが要るし、面倒だ。
そうだ ! 。そろそろ馴染みの釣具屋さんが開店した頃だろうから、窮余の秘策を聞いてみるべく電話をしてみるか・・・・。月曜の朝だから、さして迷惑にもならないだろう・・・・。
「もしもし、吉右衛門です」
「どーも、おはようございます」
「今、三島湖で釣りをしています。25尺で頑張ってるんですが、毎度の事乍ら、朝のウチ.ボチボチ釣れた魚が、釣れなく成りました。この時期でもバラケがヘボだと魚は上層に上がってしまうのですか ? 」
「現場に居ないので分りませんが、可能性は大いに有ります。竿を替えるのは大変なので、釣り難いでしょうが、浮き下を浅くして、今と同じ処に打ってみて判断下さい。そこで浮子が動けば竿を替えればよいです」だって・・・。
流石に商売人だ。言う事が違う。オレの頭では考えもしなかった返事をもらえた。
早速、浮き下を三尺ツメ、仮想22尺にして十投程打込むが、浮子は微動もせず・・・・。
これで竿を替えても無駄な事が確認出来た。

十一時三〇分。
穏やかな日に来たものだ。暖かくて寒波が嘘の様。これなら来月だって釣りに来られるぞ。
気温は暖かいが、釣況はお寒い限り。毎度の事だから免疫が出来ているとは言えこの窮地からは何とか脱却したいもの。無い知恵を絞っての次策は鉤素の延長。下の鉤素を750粍迄.延長してみた。
オッ ! 一投目から浮子が動きだした。朝に感じた怪しい動き・・・・。ブルーギルでない事を祈りつつ、ピシっ合わせてみると釣れた。七寸の小僧。続いて又も小僧。七〇分の空白を突き破る、怒りの二連荘。そして三連荘かと思いきや・・・・根掛かり。茫然自失、愕然たり。
折角、反撃の糸口を掴んだのに・・・・。
何故に天は我に試練を与え続けるのか・・・・。
昨年夏の大減水時にココで竿を出した時、オダが露呈していて.その存在は確認出来ていた。其の時の経験から25尺で大丈夫と踏んでいたのだが・・・・。減水分届いてしまったのか・・・・。
それにしても何故.朝は掛からなかったのだ ?。鉤素が600粍だったからか。僅か150粍の差で明暗を別けたのか ?。
どうも、鉤素750粍が決め手に成って浮子が動いた様なので、道糸を短縮して継続するか・・・・。
昨春、この竿は魚を取り込み中にボキっと折れた事が有る。多分、軽さを優先して作られているから強度は脆弱なのだと思う。竿を手前に引いて鉤素が切れる事を切望したが無情にも道糸がプツっと切れた。命の次ぎに大事な買ったばかりの浮子は無事回収出来たのだが・・・・。

正午。
これしきのことではまだヤメられない。
今日は今年最後の釣りだから、徹底抗戦のつもりだ。
然し、徹底抗戦はよいが、仕掛けを作り直すか ?、先ほど魚が居ない事を確認した22尺を出すか ?。
残り時間を思案しても今更四〇分かけて仕掛け等作っていられない。22尺で行こう。
十三時〇〇分。
この選択が凶と出た。
例え再開に手間取っても仕掛けを作り直すべきだった。今更遅いが舟上で嘆いていると、納竿して桟橋へ戻る番頭さんが寄ってくれた。そこで悲嘆に暮れているオレに追い討ちをかける様に、「いやー21尺でやってたんだけど、駄目だったわ」だって・・・・。

これが今年最後の釣りか・・・・。
今迄釣った魚は十四枚。目標の半分以下だ。
なんか今年を象徴している様な展開。
今自分に出来る事は、ひたすらに餌を打ち続ける事。
ココから半狂乱の如くバラケを打込むが事態は好転せず。
十三時半。
陽が予想より六〇分早く岩盤上の樹木に隠れた。
無論延長。帰りません、釣れる迄は。
・・・・・・・。
そうだ ! 。ハタと思い出した。25尺の時は下のハリスを750粍にしたら魚信が出たのだ。
早速、実行に移してみたら直ぐに結果が出た。
落ち込みでの微動が復活。
土俵際で踏みとどまる。
僅かだが、コイツの可能性にかける。
十四時。
ここらで強い魚信が来るかと思いきや、そうは問屋が卸してくれない。
こんな魚信では.いくら合わせても、針に魚が掛からない。
空振りの山を築く。
そろそろ捨て鉢になりかけ時、疑念が湧く。
もしかした犯人はワカサギではないか ? 。
チキショー ! 、ワカサギ野郎にからかわれていたのか。
そう思うと気が抜けた。
もうヤメるか。徹底抗戦が聞いて呆れる様な淡白な終末。

十四時二〇分。
今年最後の一投を投入する。
浮きが立って、目盛りが落ちて行く最中のフッとした微動に合わせると、オッ ! 、釣れた。
ほとんど期待していなかったが、よかった、よかった。
最後の一投で、釣れてよかった。
終わりよければ全てよし。
気をよくして納竿とする。

釣行記写真
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2009年最後の一投で釣れた魚。

淡々と荷を撤収し桟橋へ帰還。
階段をトボトボと登り若旦那に、今日も冴えない釣りで終わった事。一年間事故無く遊ばせてもらった事への謝意を述べて、一件落着。
ともゑ釣舟店さんを後にする。

釣行記写真
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ともゑさんから見た豚小屋下。
桟橋の延長線上の竹付近で竿を出した。

帰路の車中。
昨年は寂寥感に襲わられたが、今年はケジメの釣りに来た割には不思議に感情が湧かなかった。
キッと、穏やかだった気候に今冬は冬眠する事無く、来月もココに来る事を決めたからだと思う。

お仕舞い。

25尺天々バラケ+グルテン 14枚(07:20〜11:40)
22尺天々バラケ+グルテン 1枚(12:00〜14:20)
釣果
合計 十五枚。
七寸〜尺一寸。


後書き

今年も無事に吉右衛門のへら鮒釣りが終わりました。
釣行データは下記の通りです。
釣行回数/27回。
釣果合計/630枚。平均/23.33枚。
平均釣果の23.33枚は対前年比で69.6%です。
このあまりの惨状に笑ってしまいました。

お粗末な釣行模様を無学で文才とは縁の無い自分が記している釣行記ですが、みなさまのお陰で二年間で六〇回を記す事が出来ました。
不健康な体調と不安定な世情を鑑みますと先行きは不透明ですが、来年からは表紙も若干新しくして通算百回を目指して、頑張るつもりです。

最後に御礼です。
今年も一向に上達しない私に釣りを教えてくださいました、大名人の山田様、渋谷のサンスイ釣具店の武重店長さん、入間市のへらの三水のご主人さん。
毎回.清潔な舟をレンタルしてくださった、三島湖ともゑ釣舟店さん、戸面原ボートセンターさん。
ホームページの運営管理と釣行記の掲載を毎回短時間でしてくださっているデザインクロスの長谷川さん。
そして、このお粗末でトルに足りない釣行記をお読み下さっている皆々さま。
本当にありがとうごいざいました。
お陰さまで楽しい一年を無事終える事が出来ました。
感謝感謝深謝深謝です。
どうぞ来年も良い年をお迎えくださいませ。
そしてよい釣りをなさってください。
来年も宜しくお願いします。

  2009年12月27日

吉右衛門。  



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